一般社団法人日本温泉科学会のご案内

 一般社団法人日本温泉科学会は、昭和14(1939)年に創立された約80年の歴史をもつ温泉に関する総合科学の学会です。

一般社団法人日本温泉科学会の生い立ち

 日本の温泉学は古く江戸時代にさかのぼることができ、後藤良山、拓植竜州、宇田川榕菴らによって温泉の医療的効果の研究や温泉分析などが行われています。明治時代に入り西洋文化の流入と共に、科学の進歩に伴って、温泉に関しての近代的な研究も行われるようになり、大正時代の終わりから昭和時代の初め頃には、化学・薬学・物理学・地質学・生物学など広く科学の全分野にわたり、熱心な人々の手によって温泉の科学的な研究が行われるようになりました。また、その頃、温泉の啓蒙・発展などを目的とした「社団法人日本温泉協会」の設立〔昭和4(1929)年〕、温泉医学の専門的研究を目指した「九州大学温泉治療学研究所」の開設〔昭和6(1931)年〕、温泉医学に関する研究者の集団である「日本温泉気候学会(現在の一般社団法人日本温泉気候物理医学会)」の発足〔昭和9(1934)年〕など、温泉に関する組織的な活動拠点も形成されるようになり、日本における温泉に関する研究は着々と進みました。

 このような背景のもと、「温泉に関する諸々の科学的研究調査を推進し、温泉に関わる施策の基礎確立に寄与する学会」の設立の機運が高まり、その準備段階として、昭和14(1939)年10月7日に「温泉研究談話会」が発足、同時に「温泉研究談話会誌」が刊行されました。しかし、すでにこの時に「日本温泉科学学会」という名称が決まったので、この時をもって創立の年としています。そして、昭和15(1940)年11月9日の談話会幹事会において、「温泉研究談話会」を発展的に改組して、「日本温泉科学学会」の設立を決議し、翌昭和16(1941)年1月27日には、学会としての第1回講演会が開催され、同年8月に学会誌「温泉科学」第1巻第1号の発刊がなされました。

 その後、学会発足と同時期に始まった太平洋戦争(第二次世界大戦)の戦局悪化により、講演会の開催と学会誌の発行が不可能な状態となり、昭和18(1943)年10月以降学会活動は停止を余儀なくされましたが、昭和23(1948)年5月1日、2日に兵庫県城崎温泉で開催した第1回学術大会をもって活動を再開し、翌昭和24(1949)年7月20日には、学会誌「温泉科学」の第3巻第4号を発行しました。それ以降は、学術大会開催と学会誌発行を間断なく毎年行い、昭和36(1961)年8月17日には学会名を「日本温泉科学会」に改めました。平成29(2017)年4月5日には、一般社団法人日本温泉科学会が発足し、本学会の社会的役割は益々大きくなり、現在に至っています。

●歴代会長一覧〔PDF形式〕

●2019~20年度会長(前田眞治)挨拶〔PDF形式〕

活動の内容

 一般社団法人日本温泉科学会の主な活動は、毎年日本各地の温泉地で開催する学術大会(特別講演・公開講演ならびに研究発表、会員報告会)とエクスカーション(巡検)、学会誌「温泉科学」の発行(年4回)、温泉科学に関する啓蒙図書の出版などです。また、温泉科学の分野で功績のあった会員や、これからの温泉科学を担う若手会員の発表を奨励する各種学会賞の授与を行っています。平成22(2010)年は学会の70 周年にあたり、記念事業(記念大会、記念特別号出版、祝賀会)を行いました。

 一般社団法人日本温泉科学会は、これまでにも増して、自然現象である温泉、温泉とかかわりのある諸々の現象(地震、火山など)、そして、それらと人間・社会とのかかわり合い(観光、医療、農業・水産・熱エネルギーなどへの利用)など、温泉に興味を持つ人々が参加し、温泉を多面から討論し、より深く理解する場を提供できる、開かれた学会となることを目指しています。

会員

 会員は、通常会員(学生会員を含む)、購読会員、賛助会員、特別賛助会員などからなり、地球物理学、地球化学、地質学、水文学、医学、薬学、生物学、工学、社会科学などの研究者のほか、温泉探査、掘削の技術者、温泉の管理者、行政関係者、経営者など、温泉に関わる幅広い分野の人々で構成されています。

各種学会賞および名誉会員選考規定

 本学会では、「日本温泉科学会功労賞」、「日本温泉科学会奨励賞」、「日本温泉科学会特別賞」、「第XX 回日本温泉科学会ポスター賞」、および名誉会員を設けております。各選考規定は以下をご覧下さい。

●一般社団法人日本温泉科学会名誉会員選考規程
●一般社団法人日本温泉科学会学会賞選考規程令和4年3月22日改訂

一般社団法人日本温泉科学会

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